サザンオールスターズ


LOVE AFFAIR 〜 秘密のデート
アルバム「バラッド3」収録

 軽快なサザンのポップ・ナンバー「 LOVE AFFAIR 〜 秘密のデート 」に、上質な音壁感を上乗せしているのが、管弦楽器たちです。山本拓夫のホーン・アレンジはバリトン・サックスを効果的に用いてビーチボーイズのような雰囲気を醸しています。一方、島健のストリングス・アレンジは単旋律の裏メロを効果的に用い、暑苦しくない厚みをサウンドに足し込んでいます。
 島健はその後、「TSUNAMI」でも素晴らしい弦編曲を披露、桑田佳祐のシングル「波乗りジョニー」、「白い恋人達」などでもその腕を発揮しました。
 個人的に、この時期のサザンや桑田佳祐の作品が大好きなのは、島健の功績が大きいのかもしれません。


井上陽水
TEENAGER
アルバム「九段」収録

 この作品の作曲を井上陽水と共同で手がけているのは、平井夏美ことアノ川原伸司氏。このふたりは、名曲「少年時代」を作ったコンビでもあります。ちなみに川原氏はビクターやダブル・オーで、大滝さんとともに仕事をしたことで知られます。
 川原氏の好みが反映されているのか、「TEENAGER 」のサウンドは、直球のウォール・オブ・ザウンドです。イントロのドラムにはスペクター・サウンドの趣を感じます。カスタネットも頑張って鳴っていますし、オケにもボーカルにもエコーが目一杯のっています。
 かくして、ナイアガラ・ファン感涙の音場が築かれているのですが、サウンドに重厚感を加えているのが、島健の編曲によるストリングスです。彼の弦が入って来ると、曲が一気にドラマチックな展開をみせるのです。見事です。


原由子 & ALL STARS
夢見るアニーバーサリー

マキシシングル「彩〜Aja〜」収録

 原由子の作詞・作曲による珠玉のポップス「夢見るアニーバーサリー」の編曲を担当したのが、島健です。奇をてらうことなくポップスの王道を行くようなサウンドですが、前述の2曲とは違った趣の繊細な編曲が、原由子のボーカルともぴったりマッチしているようです。終盤に向けて仰々しくなく盛り上げていくアレンジは、ナイアガラ・ファンの心をつかむのかもしれません。
 ちなみに、島健はミュージカル女優の島田歌穂と結婚し、彼女の音楽活動も支えています。「がんばれ!ロボコン」世代のナイアガラーにとっては、ロビンちゃんにあこがれ、時を経て今度はその夫君の仕事に惹きつけられることに、なんだか因果を感じてしまいます。
 島健の仕事ぶりは、以下のサイトでその全容を知ることが出来ます。

『SHIMAKEN | BLUE IN GREEN 』
http://www.shimaken.jp/profile/index.html




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