#02 研究篇 その1

 「輝け!月曜ドラマ王90's」という、フジの月9ドラマの主題歌を主に集めたコンピレーション・アルバムがあります。
「幸せな結末」は、その1曲目に収録されているのですが、よく聴くと、シングル盤のバージョンよりも音圧を上げ、ボーカルがくっきり聞こえるよう、プリ・マスタリング的なエンジニアリングが施されているようです。いわゆるバージョン違いなわけですね。

それでもなお、「月曜ドラマ王」に収録されている他の主題歌にくらべると、「幸せな結末」の大滝さんのボーカルは明らかに「引っ込んで」聞こえます。
このCDを聴いて、大滝さんは、「ナイアガラ・ミックスによる大滝ボーカルは、世間の主題歌モノにくらべ、オフ・ボーカルである」と認識し、その結果、「恋するふたり(テレビ主題歌篇)」では、ボーカルがエコー極少のミックスになったのかもしれません。

さて、「月曜ドラマ王」のブックレットにある資料を見ますと、「ラブジェネレーション」のドラマコンセプトは−−、

 「恋の障害は『素直に好きと言えないことだけ』
     というシンプルなラブストーリー」


−−なのだそうです。大滝さんは、このコンセプトに沿って「幸せな結末」を創作して行ったのではないか、そんな気がするのです。
 「幸せな結末」の各パーツごとに見ていくと、それがあらわになってきます。

 まず、イントロでは、最初にストリングスがメロディを奏でます。どことなく「テルスター」(多羅尾伴内楽団でもカバー)にも似ている旋律ですが、ジョニー・ティロットソン(JOHNNY TILLOTSON )の名曲「I RISE, I FALL」にも似ています。その昔、「GO! GO! NIAGARA 」でもかかった曲です。「恋のウルトラC」なんて、妙訳な邦題がついていますが、恋というものは「上がってんのー、下がってんのー」という具合に、一筋縄にはうまく行かないものです。いわく「恋の富士急ハイランド」とでも、言いましょうか…。

 冗談はさておき、「幸せな結末」のイントロでは、「恋の障害」にちなんだ曲が、これも含めて3曲ほど登場するようです。

「その2」につづく…。



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